
昨日まではWordPressにログインできていたのに…



WordPressにログインしようとしたら急にエラーが表示された
WordPressでサイトを運営していると、誰もが一度は直面する可能性があるこの困った状況。この問題は、ウェブサイトの更新ができないだけでなく、最悪の場合、サイトそのものの表示に影響を及ぼすこともあります。
WordPressのログイン問題には、ほとんどの場合、原因と解決策があります。
この記事では、あなたが直面しているログインできない原因を特定し、パスワードのリセットからプラグイン・テーマの競合、データベースの修復、さらにはPHPバージョンの確認まで、今すぐ試せる5つの解決策を分かりやすく解説します。



こちらの方法で、うまく問題が解決することを祈っています!
WordPressにログインできないとどうなる
WordPressサイトの管理画面に突然アクセスできなくなり焦るということ、WordPress運営者なら誰でも経験する可能性があります。
WordPressのログイン問題には、ほとんどの場合、原因と解決策が存在しますので紹介していきます。
1. WordPressにログインできないとどんな問題が起こる?
WordPressにログインできない状態は、単に管理画面に入れないというだけでなく、以下のような深刻な問題を引き起こす可能性があります。
- サイトの更新・修正ができない: 新しい記事の公開、既存コンテンツの修正、プラグインの更新など、サイト運営に必要なあらゆる作業が停止してしまいます。
- セキュリティリスクの増大: プラグインやテーマの脆弱性が放置され、不正アクセスや改ざんのリスクが高まります。
- サイト表示の不具合: ログイン問題がサイト自体のエラーに起因する場合、訪問者からサイトが見られなくなることもあります。これはビジネス機会の損失や信頼性の低下に直結します。
- データ損失の可能性: 原因によっては、データベースに異常が発生し、最悪の場合、サイトデータが失われるリスクも考えられます。
2. この記事で解決できること
この記事では、あなたが直面しているWordPressのログイン問題を、ご自身で解決できるよう徹底的にサポートします。具体的には、以下の点について詳しく解説します。
- ログインできない主な原因: なぜログインできないのか、その根本的な原因を特定する手助けをします。
- 具体的な解決策と手順: パスワードのリセットから、プラグインやテーマの競合、データベースの問題、サーバー設定の見直しまで、段階を追って試せる解決策を網羅的にご紹介します。
- 初心者でも理解しやすい解説: 専門知識がない方でも安心して取り組めるよう、専門用語を避け、分かりやすい言葉で解説します。必要に応じて、画像での手順解説も加えることで、視覚的にも理解を深められるよう配慮します。
- 万が一解決しない場合の対処法: ご自身での解決が難しい場合の相談先(ホスティング会社や専門業者など)についても触れます。
この記事を読み終える頃には、あなたがWordPressの管理画面に無事ログインできるようになり、サイト運営を再開できることを目指します。



さあ、一緒にログイン問題を解決していきましょう。
まず確認!WordPressにログインできないよくある原因
WordPressにログインできない場合、いくつかの一般的な原因が考えられます。闇雲に解決策を試す前に、まずは「なぜログインできないのか」「その可能性のある原因を特定する」ことが重要です。
ここでは、WordPressでログインできない際によくある原因を5つご紹介します。
1. 入力情報の間違い(ユーザー名・パスワード)
最も単純でありながら、最もよくある原因がユーザー名やパスワードの入力ミスです。
- 大文字・小文字の区別: パスワードは特に大文字と小文字を区別します。Caps Lockがオンになっていないか確認しましょう。
- 半角・全角の違い: 全角文字で入力してしまっている場合もログインできません。必ず半角英数字で入力してください。
- 余計なスペース: ユーザー名やパスワードの前後に入力ミスでスペースが入っていないかも確認しましょう。
- キーボード設定: いつものキーボード設定と異なっている場合、意図しない文字が入力されている可能性もあります。
2. キャッシュやCookieの問題
ブラウザのキャッシュやCookieが原因で、正常にログインできない場合があります。これらはブラウザがウェブサイトの情報を一時的に保存しておく機能ですが、古い情報が残っているとログインを妨げることがあります。
- 古いログイン情報: 過去のログイン情報がブラウザに記憶されており、現在の正しい情報と競合している可能性があります。
- セッション情報の破損: ログイン状態を維持するためのセッション情報が破損している場合も、ログインできなくなります。
3. プラグイン・テーマの競合
WordPressの機能拡張に欠かせないプラグインやテーマが、他のプラグインやWordPress本体と競合してログインできなくなることがあります。特に、新しく追加・更新したプラグインやテーマが原因となるケースが多いです。
- ログイン関連プラグイン: セキュリティプラグインやログインページをカスタマイズするプラグインが、ログインプロセスに干渉する場合があります。
- PHPエラー: プラグインやテーマのコードにエラーがあると、それが致命的なエラーとなり、ログインページすら表示されなくなることがあります。
4. WordPress本体やPHPのバージョン問題
WordPress本体やサーバーで使用しているPHPのバージョンが古い、または互換性のない状態であることも、ログインできない原因となり得ます。
- WordPressのバージョン: 古いWordPressのバージョンは、新しいPHPバージョンと互換性がない場合があります。
- PHPのバージョン: サーバーのPHPバージョンがWordPressの推奨バージョンと異なると、サイト全体が正しく動作しないことがあります。特に、推奨されていない古いPHPバージョンを使用しているとセキュリティリスクも高まります。
5. データベースの破損
WordPressは、ユーザー情報や投稿内容など、サイトのほとんどの情報をデータベースに保存しています。このデータベースが何らかの原因で破損すると、ログイン情報が読み取れなくなり、ログインできなくなることがあります。
- サーバーの問題: サーバー障害やディスク容量不足などが原因でデータベースが破損することがあります。
- プラグイン・テーマの影響: データベースを操作するようなプラグインの不具合が原因で破損する場合もあります。
- 不適切なシャットダウン: サーバーが予期せぬシャットダウンをした際などに、データベースの整合性が失われることもあります。



これらの原因を一つずつ確認することで、あなたのWordPressログイン問題の解決に近づくことができます。
次のセクションでは、それぞれの原因に対する具体的な対処法を詳しく解説していきます。
【解決策1】パスワードを再設定する
WordPressにログインできない最も一般的な原因の一つは、パスワードの間違いです。
この場合、パスワードを再設定することで簡単に解決できる可能性があります。ここでは、パスワードを再設定する3つの方法をご紹介します。
1. 管理画面からパスワードをリセットする方法
ログイン画面から直接パスワードをリセットする方法です。これが最も簡単で推奨される方法です。
ログイン画面へアクセスする
WordPressのログインページ(通常 https://あなたのドメイン/wp-admin
または https://あなたのドメイン/wp-login.php
)にアクセスします。
「パスワードをお忘れですか?」をクリックする
ログインフォームの下にある「パスワードをお忘れですか?」または「パスワードを紛失しましたか?」のリンクをクリックします。
ユーザー名またはメールアドレスを入力する
パスワードリセット用のページに移動したら、登録済みのユーザー名またはメールアドレスを入力し、「新しいパスワードを取得」ボタンをクリックします。
届いたメールを確認し、新しいパスワードを設定する
WordPressから、登録されているメールアドレス宛にパスワード再設定用のリンクが記載されたメールが届きます。そのリンクをクリックし、新しいパスワードを設定してください。
ポイント: メールが届かない場合は、迷惑メールフォルダも確認しましょう。また、登録したメールアドレスを忘れてしまった場合は、次の「phpMyAdminでパスワードを直接変更する方法」を試す必要があります。
2. 【緊急時】phpMyAdminでパスワードを直接変更する方法
上記の方法でパスワードリセットメールが届かない、またはメールアドレスを忘れてしまったなど、管理画面からリセットできない緊急時には、データベースを直接操作してパスワードを変更する方法があります。この方法は、データベースに関する基本的な知識が必要となります。
レンタルサーバーのコントロールパネルにログインする
利用しているレンタルサーバー(例:エックスサーバー、ConoHa WING、ロリポップ!など)のコントロールパネルにログインします。
phpMyAdminを探してアクセスする
コントロールパネル内にある「データベース」や「phpMyAdmin」といった項目を探し、phpMyAdminにアクセスします。
WordPressのデータベースを選択する
phpMyAdminにログインしたら、左側のリストからあなたのWordPressサイトが使用しているデータベースを選択します。データベース名は、wp_options
やwp_users
などのテーブルが含まれているもので判別できます。
wp_users
テーブルを開く
データベース内のテーブル一覧から、「wp_users
」(テーブル接頭辞が異なる場合は [あなたの接頭辞]_users
)を見つけてクリックします。
パスワードを変更するユーザーを編集する
ユーザー一覧が表示されるので、パスワードを変更したいユーザーの行にある「編集」アイコン(鉛筆のマークなど)をクリックします。
user_pass
の値を変更する
編集画面で、user_pass
という項目を探します。「関数」のドロップダウンメニューから「MD5」を選択し、「値」の欄に新しいパスワードを入力します。
変更を保存する
画面下部の「実行」ボタンをクリックして変更を保存します。
注意: phpMyAdminでの操作は、データベースの直接的な変更を伴います。誤った操作はサイトの破損につながる可能性があるため、必ず事前にデータベースのバックアップを取ってから慎重に行ってください。
3. パスワード再設定ができない場合の対処法
上記2つの方法でパスワードの再設定ができない場合、以下のような原因が考えられます。
- メールサーバーの問題: パスワードリセットメールが送受信できない設定になっている可能性があります。レンタルサーバーのサポートに問い合わせてみましょう。
- WordPressアドレスの不一致: WordPressアドレス(URL)が正しく設定されていない場合、パスワードリセットメールのリンクが機能しないことがあります。この場合もphpMyAdminで
wp_options
テーブルのsiteurl
とhome
の値を正しいURLに修正する必要があります。 - サーバー側のセキュリティ設定: サーバー側のファイアウォールやセキュリティ設定が、メールの送信やログインプロセスをブロックしている可能性もあります。レンタルサーバーのサポートに相談が必要です。
- wp-login.phpの破損または改ざん: WordPressのログインファイル自体が破損しているか、マルウェアなどによって改ざんされている可能性もゼロではありません。この場合は、WordPressのファイルを再アップロードするなどの対応が必要になります。
これらの問題が疑われる場合は、ご自身で解決が難しいケースも多いため、利用しているレンタルサーバーのサポートに問い合わせるか、専門のWeb制作会社に相談することを検討しましょう。
【解決策2】プラグインやテーマが原因の場合の対処
WordPressにログインできない原因として、インストールしているプラグインやテーマの不具合、あるいはそれらの間の競合が挙げられます。
特に、新しいプラグインを導入したり、テーマを更新したりした直後にログインできなくなった場合は、この可能性が高いです。ここでは、プラグインやテーマが原因であるかを特定し、対処する方法を解説します。
1. プラグインを停止して原因を特定する方法
WordPressの管理画面にログインできない場合でも、FTPクライアントやレンタルサーバーのファイルマネージャーを使ってプラグインを停止することができます。
FTPクライアントまたはファイルマネージャーでサーバーに接続する
お使いのFTPクライアント(例: FileZilla)や、レンタルサーバーのコントロールパネルにあるファイルマネージャー機能を使って、WordPressがインストールされているサーバーに接続します。
wp-content
フォルダに移動する
WordPressのルートディレクトリ(public_html
やwww
など)の中にあるwp-content
フォルダを探して開きます。
plugins
フォルダの名前を変更する
wp-content
フォルダの中にあるplugins
フォルダの名前を、一時的にplugins_old
やplugins_deactivated
など、別の名前に変更します。
【重要】: この操作により、WordPressにインストールされている全てのプラグインが強制的に停止されます。
WordPressのログインを試す
plugins
フォルダの名前を変更した後、WordPressのログインページにアクセスし、ログインできるか試してみてください。
- ログインできた場合: プラグインのいずれかが原因です。
plugins_old
(または変更した名前)を元のplugins
に戻します。- WordPressの管理画面にログインし、「プラグイン」のページに移動します。
- プラグインを一つずつ有効化し、その都度ログインできるかを確認します。ログインできなくなったプラグインが原因です。
- 原因となるプラグインを特定したら、そのプラグインを削除するか、代替のプラグインを探す、または開発者に問い合わせるなどの対応を検討します。
- ログインできない場合: プラグインが原因ではない可能性が高いです。
plugins_old
を元のplugins
に戻し、次のテーマの確認に進みます。
2. テーマをデフォルトに戻して原因を特定する方法
プラグインと同様に、テーマが原因でログインできなくなることもあります。特に、カスタマイズされたテーマや、WordPressのバージョンと互換性のないテーマを使用している場合に起こりえます。
FTPクライアントまたはファイルマネージャーでサーバーに接続する
プラグインの時と同様に、FTPクライアントやファイルマネージャーでサーバーに接続し、wp-content
フォルダに移動します。
themes
フォルダに移動する
wp-content
フォルダの中にあるthemes
フォルダを探して開きます。
現在使用しているテーマのフォルダ名を変更する
現在有効になっているテーマのフォルダ名(例: twentyseventeen
など)を、一時的に[テーマ名]_old
など、別の名前に変更します。 【重要】: この操作により、WordPressは自動的にデフォルトテーマ(例: twentytwentyfour
など)に切り替わります。デフォルトテーマが存在しないと、サイトが真っ白になるなどのエラーが発生する可能性があるため、必ずデフォルトテーマがthemes
フォルダ内に存在することを確認してください。
WordPressのログインを試す
テーマのフォルダ名を変更した後、WordPressのログインページにアクセスし、ログインできるか試してみてください。
- ログインできた場合: テーマが原因です。
- 変更したテーマフォルダ名を元に戻し、WordPress管理画面にログインします。
- 「外観」→「テーマ」から、問題のテーマを削除するか、テーマ開発者に問い合わせて修正版の提供を依頼するなどの対応を検討します。
- ログインできない場合: テーマが原因ではない可能性が高いです。変更したテーマフォルダ名を元に戻し、他の解決策を試しましょう。



これらの方法でプラグインやテーマが原因であるかを特定し、対処することで、ログイン問題を解決できる可能性が高まります。
【解決策3】WordPressのファイルやデータベースを修復する
WordPressのログイン問題が、ファイル設定の不備やデータベースの破損によって引き起こされることもあります。これらの問題は少し専門的ですが、正しく対処すれば解決可能です。
ここでは、wp-config.php
ファイルの修正とデータベースの修復・最適化について解説します。
1. wp-config.phpを修正してログインエラーを解決する
wp-config.php
ファイルは、WordPressの基本的な設定情報(データベース接続情報など)を格納している重要なファイルです。このファイルの設定ミスや破損がログインエラーの原因となることがあります。
FTPクライアントまたはファイルマネージャーでサーバーに接続する
WordPressがインストールされているルートディレクトリ(public_html
やwww
など)に接続します。
wp-config.php
ファイルを探してダウンロードする
ルートディレクトリにあるwp-config.php
ファイルをローカルPCにダウンロードして、テキストエディタ(メモ帳、CotEditor、Visual Studio Codeなど)で開きます。編集前に必ずバックアップを取っておきましょう。
WordPressのデバッグモードを有効にする(任意)
エラーの原因を特定しやすくするために、一時的にデバッグモードを有効にすることができます。wp-config.php
ファイル内の以下の行を探し、false
をtrue
に変更します。PHPdefine( 'WP_DEBUG', false );
↓PHPdefine( 'WP_DEBUG', true );
注意: デバッグモードを有効にすると、エラーメッセージがウェブサイト上に表示されるようになります。問題解決後は必ずfalse
に戻し、デバッグモードを無効にしてください。
データベース接続情報を確認する
以下の行にあるデータベース名、ユーザー名、パスワード、ホスト名が正しいかを確認します。これらの情報は、レンタルサーバーのコントロールパネルで確認できます。PHPdefine( 'DB_NAME', 'データベース名' ); define( 'DB_USER', 'データベースユーザー名' ); define( 'DB_PASSWORD', 'データベースパスワード' ); define( 'DB_HOST', 'データベースホスト' );
もしこれらの情報が誤っている場合は、正しい情報に修正してください。
WordPressアドレス(URL)を確認する(場合によって追加)
まれに、WordPressアドレスとサイトアドレスがデータベースではなくwp-config.php
で定義されている場合に問題が起こることがあります。もし、以前にこれらの行を追加した記憶がある、または他の解決策を試してもログインできない場合は、wp-config.php
の最下部(/* That’s all, stop editing! Happy publishing. */ の上)に以下の2行を追加してみてください。PHPdefine('WP_HOME','https://あなたのドメイン'); define('WP_SITEURL','https://あなたのドメイン');
注意: これらは一時的な対策であり、データベースに誤った情報が保存されている場合に限ります。問題解決後は削除するか、データベースでsiteurl
とhome
を正しく設定し直すことを推奨します。
修正したwp-config.php
ファイルをアップロードする
修正が完了したら、wp-config.php
ファイルをサーバーの元の場所(WordPressのルートディレクトリ)に上書きアップロードします。
ログインを試す
ファイルをアップロードした後、WordPressのログインを再度試してみてください。
2. データベースの修復・最適化を行う方法
WordPressのデータベースが破損している場合、ログインできなくなることがあります。WordPressにはデータベースを修復する機能が備わっていますが、手動で有効化する必要があります。
wp-config.php
ファイルを開く
上記の手順と同様に、wp-config.php
ファイルをテキストエディタで開きます。
データベース修復機能を有効にする
wp-config.php
ファイルの最下部(/* That’s all, stop editing! Happy publishing. */ の上)に以下の行を追加して保存します。PHPdefine('WP_ALLOW_REPAIR', true);
データベース修復ツールにアクセスする
ウェブブラウザで以下のURLにアクセスします。 https://あなたのドメイン/wp-admin/maint/repair.php
データベースの修復を実行する
アクセスすると、「データベースを修復」または「データベースを修復して最適化」のオプションが表示されます。どちらかを選択して実行します。このプロセスには数分かかる場合があります。
修復機能の無効化とログインの試行
修復が完了したら、必ずwp-config.php
から追加したdefine('WP_ALLOW_REPAIR', true);
の行を削除してください。この行を残しておくと、誰でもデータベース修復ツールにアクセスできるようになり、セキュリティ上のリスクとなります。 その後、WordPressのログインを再度試してみてください。
重要: データベースの操作は、サイト全体に影響を与える可能性があります。必ず事前にWordPressサイト全体とデータベースのバックアップを取ってから、慎重に作業を行ってください。



バックアップがない状態で誤った操作を行うと、サイトが完全に機能しなくなる恐れがあります。
【解決策4】WordPress本体のアップデートやPHPバージョンの確認
WordPress本体やサーバーのPHPバージョンが古かったり、互換性の問題があったりすると、ログインできなくなることがあります。
特に、自動アップデートが失敗した場合や、レンタルサーバー側でPHPバージョンが変更された場合にこの問題が発生することがあります。
1. WordPress本体の自動アップデートが失敗した場合の対処法
WordPressの自動アップデート中に何らかのエラーが発生し、プロセスが中断されると、ログインできなくなることがあります。
この場合、手動で「メンテナンスモード」を解除するか、WordPressのコアファイルを再アップロードする必要があります。
メンテナンスモードの解除
- WordPressの自動アップデート中に中断されると、サイトのルートディレクトリに「
.maintenance
」という名前のファイルが一時的に作成されます。このファイルが残っていると、サイトが「メンテナンス中」と表示され、ログイン画面にもアクセスできない場合があります。 - FTPクライアントまたはレンタルサーバーのファイルマネージャーを使って、WordPressのルートディレクトリに接続します。
.maintenance
ファイルを探し、削除します。- ファイルを削除した後、再度ログインを試してみてください。
WordPressのコアファイルを再アップロード
- メンテナンスモードを解除してもログインできない場合、WordPressのコアファイル自体が破損している可能性があります。
- WordPress公式サイト(
https://ja.wordpress.org/download/
)から、現在使用しているバージョンと同じバージョンのWordPressのzipファイルをダウンロードします。 - ダウンロードしたzipファイルを解凍します。
- 解凍したフォルダの中から「
wp-content
」と「wp-config-sample.php
」以外のすべてのファイルとフォルダを、FTPクライアントを使ってサーバーのWordPressルートディレクトリにアップロードし、既存のファイルを上書きします。- 注意:
wp-content
フォルダとwp-config.php
ファイルは、テーマ、プラグイン、メディアファイル、データベース接続情報など、サイト固有の重要なデータが含まれているため、絶対に上書きしないでください。
- 注意:
- アップロードが完了したら、ログインを再度試してみてください。
2. サーバーのPHPバージョンを確認・変更する方法
WordPressは特定のPHPバージョンで最適に動作するように設計されています。使用しているPHPバージョンが古すぎる、またはWordPressと互換性がない場合、ログインエラーを含む様々な問題が発生する可能性があります。
レンタルサーバーのコントロールパネルにログインする
利用しているレンタルサーバー(例:エックスサーバー、ConoHa WING、ロリポップ!など)のコントロールパネルにログインします。
PHPバージョン設定の項目を探す
コントロールパネル内にある「PHP設定」「PHPバージョン変更」「PHP設定の切り替え」といった項目を探してクリックします。場所はレンタルサーバーによって異なります。
現在のPHPバージョンを確認する
現在設定されているPHPバージョンを確認します。WordPressの公式推奨バージョン(記事執筆時点ではPHP 7.4以上を推奨、できればPHP 8.0以上)と合っているか確認しましょう。
PHPバージョンを変更する
- 推奨されていない古いPHPバージョンを使用している場合は、最新の安定したPHPバージョン(WordPressの推奨バージョンに合わせる)に変更します。
- 変更する際は、必ず事前にWordPressとデータベースのバックアップを取っておくことを強く推奨します。PHPバージョンの変更は、サイト全体に影響を与える可能性があります。
- 変更を適用したら、数分待ってからWordPressのログインを再度試してみてください。
- 注意点:
- PHPバージョンを変更した後、サイトの表示や機能に問題が発生する場合があります。その際は、一つ前のPHPバージョンに戻すか、レンタルサーバーのサポートに相談してください。
- 一部の古いプラグインやテーマは、新しいPHPバージョンと互換性がない場合があります。この場合は、プラグインやテーマの更新を待つか、代替のものを検討する必要があります。



これらの対処法で、WordPress本体やPHPバージョンが原因のログイン問題を解決できる可能性があります。
【解決策5】それでも解決しない場合の最終手段
- 1. エラーログを確認して原因を特定する
- 2. ホスティング会社に問い合わせる
- 3. Web制作会社に相談する
ここまで様々な解決策を試してもWordPressにログインできない場合、さらに深い原因が隠れている可能性があります。
自力での解決が難しいと感じたら、専門家の助けを借りることも重要です。ここでは、それでも解決しない場合の最終手段を3つご紹介します。
1. エラーログを確認して原因を特定する
WordPressやサーバーは、問題が発生した際にその情報を「エラーログ」として記録しています。このエラーログを確認することで、何が問題を引き起こしているのか、より具体的な手掛かりを得られる場合があります。
- WordPressのエラーログを確認する
wp-config.php
ファイルを編集し、以下の行を追加または修正してデバッグモードを有効にします。PHPdefine( 'WP_DEBUG', true ); define( 'WP_DEBUG_LOG', true ); define( 'WP_DEBUG_DISPLAY', false ); // これをfalseにすると、サイト上にエラーが表示されず、ログファイルにのみ記録されます @ini_set( 'display_errors', 0 );
- これにより、エラーが
wp-content
フォルダ内に作成されるdebug.log
ファイルに記録されます。 - FTPクライアントやファイルマネージャーで
wp-content
フォルダにアクセスし、debug.log
ファイルを探してダウンロードし、内容を確認します。
- サーバーのエラーログを確認する
- レンタルサーバーのコントロールパネルにログインし、「エラーログ」「アクセスログ」などの項目を探します。
- サーバーのエラーログには、WordPressに起因しないサーバー側の問題や、PHPのエラーなど、より広範な情報が記録されていることがあります。
- エラーログの内容は専門的ですが、エラーメッセージや日付から、何が起こったのか推測できる場合があります。特に「Fatal error」「Parse error」といった記述に注目しましょう。
ポイント: エラーログの内容が理解できなくても、それをコピーしてGoogleで検索することで、解決策が見つかることがあります。また、ホスティング会社やWeb制作会社に問い合わせる際に、エラーログの内容を伝えることで、スムーズな問題解決につながります。
2. ホスティング会社に問い合わせる
WordPressの問題が、サーバー環境や設定に起因している場合、ご自身で解決するのは難しいことが多いです。そんな時は、利用しているホスティング会社のサポートに問い合わせるのが最も確実な方法の一つです。
- 問い合わせる前に準備すること
- あなたのWordPressサイトのURL
- ログインできない状況の詳細(いつから、どんなエラーメッセージが表示されるかなど)
- これまでに試した解決策(パスワードリセット、プラグイン停止など)
- もし取得していれば、エラーログの内容
- ホスティングサービスの契約情報(ユーザーIDなど)
- ホスティング会社が対応できること
- サーバー側の設定変更(PHPバージョン、パーミッションなど)
- サーバーのエラーログ解析
- データベースの軽微な修復やバックアップからの復元(提供されている場合)
- WordPressの基本動作に関するアドバイス
多くのホスティング会社はWordPressに関する知識を持ったサポートスタッフを配置しており、サーバー起因の問題であれば迅速に解決してくれる可能性があります。
3. Web制作会社に相談する
上記の方法をすべて試しても解決しない場合や、ご自身での対応が難しいと感じる場合は、専門のWeb制作会社やWordPressのトラブルシューティングを専門とする業者に相談することを検討しましょう。
【Web制作会社が対応できること】
- WordPressサイト全体の詳細な診断
- 複雑なデータベースの修復
- マルウェア感染など、セキュリティ関連の問題解決
- テーマやプラグインのコードレベルでの修正
- 根本的な原因の特定と再発防止策の提案
- 必要に応じたサイトの再構築
プロに依頼することで、時間と労力を節約し、確実に問題を解決できるだけでなく、今後のサイト運営におけるアドバイスも得られるでしょう。



費用はかかりますが、ビジネスサイトなど、サイトの停止が大きな損失に繋がる場合は、迷わず専門家を頼るべきです。
まとめ:WordPressログイン問題解決のためのチェックリスト
WordPressにログインできない状況は、サイト運営者にとって非常に困る問題です。
しかし、ほとんどの場合、適切な手順を踏むことで自力での解決が可能です。この記事で解説した解決策を参考に、以下のチェックリストに沿って落ち着いて対処していきましょう。
- 1. 入力情報の確認
- ユーザー名とパスワードは正しく入力されていますか?(大文字・小文字、半角・全角、余計なスペースに注意)
- 2. キャッシュとCookieのクリア
- ブラウザのキャッシュとCookieを削除してから再度ログインを試しましたか?
- 3. パスワードの再設定
- ログイン画面の「パスワードをお忘れですか?」からリセットを試しましたか?
- 管理画面からリセットできない場合、phpMyAdminで直接パスワードを変更しましたか?(バックアップ必須!)
- 4. プラグイン・テーマの確認
- FTPで
plugins
フォルダ名を変更し、プラグインを全て停止してログインを試しましたか? - FTPで現在使用中のテーマフォルダ名を変更し、デフォルトテーマでログインを試しましたか?
- FTPで
- 5.
wp-config.php
の確認・修正- データベース接続情報(
DB_NAME
,DB_USER
,DB_PASSWORD
,DB_HOST
)は正しいですか? - 必要に応じて
WP_DEBUG
をtrue
にしてエラーログを確認しましたか?
- データベース接続情報(
- 6. データベースの修復
wp-config.php
にdefine('WP_ALLOW_REPAIR', true);
を追加し、修復ツールを実行しましたか?(実行後は必ずこの行を削除!)
- 7. WordPress本体とPHPバージョンの確認
- WordPress自動アップデート中に中断された場合、
.maintenance
ファイルを削除しましたか? - WordPressコアファイルを再アップロードして修復を試しましたか?(
wp-content
とwp-config.php
は除く) - レンタルサーバーでPHPバージョンを確認し、最新の安定版に切り替えましたか?(バックアップ必須!)
- WordPress自動アップデート中に中断された場合、
一度ログイン問題に直面すると、その大変さを痛感するはずです。今後のトラブルを未然に防ぐためにも、以下の対策を日頃から心がけましょう。
- 定期的なバックアップ: WordPressサイト全体(ファイルとデータベース)のバックアップを定期的に取得しましょう。レンタルサーバーのバックアップ機能や、バックアップ用プラグインを活用するのがおすすめです。
- 安全なパスワード管理: 推測されにくい複雑なパスワードを設定し、パスワード管理ツールなどを利用して安全に保管しましょう。
- WordPress・プラグイン・テーマの更新: 更新通知が来たら、できるだけ早く適用しましょう。これにより、セキュリティ脆弱性の修正や最新のPHPバージョンへの対応が行われます。ただし、更新前には必ずバックアップを取る習慣をつけましょう。
- 信頼できる情報源からの導入: プラグインやテーマは、公式ディレクトリや信頼できる開発元からのみ導入しましょう。レビューや最終更新日も確認すると良いでしょう。
- エラーログのモニタリング: 定期的にエラーログをチェックする習慣をつければ、小さな問題が大きなトラブルに発展する前に気づくことができます。
WordPressは、世界中で最も使われているCMSであり、その柔軟性と拡張性が魅力です。
しかし、その分、定期的なメンテナンスが不可欠です。システムやプラグイン、テーマの更新、セキュリティ対策、バックアップなど、日々の運用を丁寧に行うことで、サイトは安定稼働し、万が一のトラブルにも冷静に対処できるようになります。